任意整理とは?-任意整理前に知っておきたいデメリットまとめ-

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任意整理について

任意整理後の生活について
任意整理するとクレジットカードはつくれない?
任意整理すると住宅ローンや車のローンはどうなる?

 

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任意整理とは


任意整理は、債務者(弁護士や司法書士)が債権者と交渉することにより、今後の返済方法を決める債務整理の一手段です。

 

交渉成立後、3~5年かけて返済していきます。

 

自己破産や個人再生と異なり、裁判所での手続きが不要なので、整理したい借金のみを対象とすることができます。
例として、貸金業者から借り入れており、その上自動車ローンを組んでいる場合を考えます。

 

もし自己破産個人再生を選ぶと、両方の借金を対象としなければならないため、自動車ローンも整理の対象です。
すると自動車がローン会社に回収されてしまうおそれがあります。
しかし任意整理ならば自動車ローンを外すことで、車を残しながら、貸金業者の借金整理ができます。

 

債権者を選択できるというのはメリットの一つではありますが、これだけではありません。
任意整理において大きなメリットとなるのは、過払い金の存在です。
過払い金は、すでに債務残高がないにもかかわらず、余分に払い過ぎたお金を指します。

 

以前は上限の利率(最大でも年利20%)を超えて、貸付が行われていました。
もちろんそれらは無効であり、認められません。

 

利息制限法を超過する部分は本来ならば元本に充てられ、実際の借金額はもっと減っていき、債務者が気づかないうちに借金はなくなります。

 

しかし債権者はそれを知らせないため、債務者はまだ借金が残っているかのように思ってしまいます。
すると、債務者は請求されたままに支払うので、「本当は完済したはずなのに、さらに支払いを続けている」というおかしな状況になるのです。

 

こういった場合は、もちろん返還請求が可能です。
また、返済中であっても返還請求できる可能性があります。

 

過払い金は(余計に支払った利息)>(残高)のときに発生するので、まだ残っている借金が100万円でも、余計に支払った利息がそれを超えていれば、借金は一気になくなり、加えて100万円を超える部分は過払い金です。

 

つまり残高が100万円で、払い過ぎた利息が105万円ならば、過払い金は5万円です。

 

では、過払い金が発生していないならば、任意整理をする意味がないのかというと、そうではありません。
先に述べたように、利息制限法を超える利息は、元本に充てられます。
仮に残高が200万円、余計に支払った利息が150万円あれば、本当の残高は50万円です。

 

また、将来の利息をカットする交渉も行うので、交渉が成立すれば今後は利息を支払う必要がなくなり、返済はずっと楽になります。
任意整理の受任通知が債権者に届いた時点で取り立てが止まるため、精神的にもメリットがあると言えるでしょう。

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任意整理にはデメリットもある!


ここまでメリットを挙げてきましたが、当然デメリットも存在します。

 

最も大きなデメリットは、信用情報機関に登録されてしまうことでしょう。
任意整理の情報は5年間残され、その間は新たな借入をすることができません。

 

もう一つのデメリットは、裁判所が介入しないことによります。
先ほど、裁判所を介さないために、債権者を選べることがメリットだと述べました。
しかし裁判所を介さないゆえに、強制的な減額ができず、どれだけ減額されるかは債権者がどれだけ譲歩するかにかかっています。

 

これらのデメリットに注意しつつ、任意整理をするかどうか判断する必要があります。

 

ブラックリストに載りローンを組めなくなる!?


任意整理をした後でもローンを組みたいと思う人は多いことでしょう。
では、ローンの審査には問題なく通るのでしょうか。

 

ローンの申込を受けた会社は、信用情報機関に登録されている情報を確認します。
申込者が、過去に金融事故を起こしていないかをチェックし、もし事故情報があれば審査には通りません。

 

したがって、ローンの申し込みをする際には、自分の情報が登録されていないかに注意する必要があります。
信用情報に関しては、信用情報機関に情報開示請求をすることで確認できます。

 

指定の信用情報機関は、主にクレジット会社や信販会社が加盟しているCIC、主に消費者金融が加盟しているJICC、主に銀行が加盟しているKSCの三社です。
もちろん、複数の信用情報機関に加盟している会社もあります。
また、三社は情報交流を行っています。
よって、どれか一社に登録されていると、他の二社にも登録されている確率が高く、新たな借入は難しいと言えるでしょう。

 

では各社は、どんな情報をどのくらいの期間保持しているのでしょうか。
「任意整理」の情報ももちろんですが、任意整理を選択する人にありがちな事故情報として「遅延・延滞」も気をつけなければなりません。
任意整理そのものの情報を登録しているのは、JICCのみです。つまり、CICやKSCには「任意整理をした」とはっきり残るわけではありません。

 

しかし「遅延・延滞」は、三社ともにはっきりと残ります。遅延や延滞は、「完済してから5年間」です。
任意整理をする人のなかには、三ヶ月の遅延や延滞を経験している人が少なくなく、したがって事故情報を持っている確率が高いです

自分では事故情報が消えていると思いこんでいても、実はまだ消えておらずに審査に落ちる、という可能性があります。
たとえ任意整理をしてから5年間が経過しても、ローンを組もうとするときには、情報開示をするのがよいでしょう。

 

任意整理後にクレジットカードを作ることはできる?


ローンよりも我々の生活に密着しているものとして、クレジットカードの存在があります。

 

現金を持ち合わせていなくても買い物をすることができ、料金の支払いに利用している人も多いでしょう。

 

クレジットカードも、任意整理後は使えなくなったり申込ができなくなったりします。

 

現在使用しているクレジットカードについては、任意整理をした後でもしばらくは使える可能性があります。
ただし、途上与信や更新のタイミングで事故情報を確認するため、いずれは利用停止となるでしょう。
また、新規申込はほぼ無理だと考えてよいです。

 

ではやはり、事故情報が消えた段階で、審査に通るようになるのでしょうか。
申込の際には、注意しなければならないことがあります。

 

それは「任意整理をした会社に申し込んでも、審査にはまず通らない」ということです。

 

信用情報機関に登録されることを「ブラックリストに載る」と言ったりもしますが、独自のブラックリスト(事故情報)を保有する会社もあります。
その記録がどれくらいの間残されるかはわかりません。

 

しかし情報を持っているのはその会社のみなので、信用情報機関から事故情報が消えている場合、まったく別の会社に申込をすれば問題ありません。

 

任意整理後の住宅ローンの審査は通る?


任意整理をした後、住宅ローンを組みたいという状況が訪れるのも、不思議なことではありません。
先述のとおり、任意整理をしてから少なくとも5年間は、新たにローンを組むことは難しいです。

 

ローンにはもちろん住宅ローンも含まれるため、住宅ローンはまず組めないと考えるのが妥当でしょう。

 

したがって住宅ローンを申し込むならば、任意整理から5年以上経過し、かつ、他の事故情報が消えてからのほうがよいでしょう。

 

ただし、事故情報があれば必ず落ちるかというと、そうではないようです。
本人の経済状況や職業などを総合的に判断して、審査に通る見込みもゼロではありません。
しかし望みは薄いでしょう。

 

任意整理後の携帯電話の契約はどうなるの?


任意整理後にローンが組めないということは、分割払いによる商品の購入が難しくなります。

 

例えば携帯電話を購入するとき、機種代を分割払いにしている人も多くいるでしょう。

 

しかし任意整理後は、信用情報を確認されるために審査が通りにくく、ゆえに一括払いでの購入となります。
任意整理後は、この点に注意しなければなりません。

 

任意整理をしても借金が強制的に免除されるわけではない


任意整理が、自己破産や個人再生と異なる点は、裁判手続きの有無です。

 

自己破産ならば、税金の滞納分などを除き、すべての借金から解放されます。
個人再生ならば、借金総額にもよりますが、5分の1程度にまで減額することができます。これらの手続きには法的拘束力があります。

 

しかし任意整理での減額は、交渉によって変わってきます。
任意整理が概ね成功した場合、将来利息をカットした上で3~5年かけて返済します。

 

また、利息の引き直し計算を行うため、払い過ぎていた利息は元本に充当され、返済がかなり楽になります。

 

たしかに自己破産や個人再生ほどの効果を期待することはできないかもしれませんが、借金問題を放置するよりずっとよいです。

 

任意整理をしても和解が成立しない場合がある


任意整理は裁判所の介入がないから、和解交渉を拒否されるのではないか、懸念する人もいるはずです。
あくまでも「任意」なので、交渉に応じなかったとしても債権者に法的なペナルティはありません。

 

ただ、現実はその逆で、むしろ応じてもらえないことのほうが稀です。
多くの業者は将来利息のカットや分割返済を受け入れてくれます。

 

その理由は、自己破産などに踏み切られるよりは、回収できる額が大きくなるからです。

 

しかしなかには、強硬な態度をとる業者も存在します。

 

利息は今までどおりきっちりと(もちろん法定利率の範囲内で)支払うように要求されるケースや、分割返済には応じないケースもあります。
交渉がトントン拍子でうまくいくとは限らない点に、注意が必要です。

 

任意整理は詳しい専門家に依頼しよう


任意整理を依頼するなら、弁護士司法書士のどちらかです。
ただし司法書士では140万円以下の依頼しか受けられないため、額が大きい場合は弁護士一択になります。

 

なお、「法律事務所」と「法務事務所」は違います。「法律事務所」と名乗れるのは弁護士のみで、「法務事務所」と名乗っているのは司法書士や行政書士です。間違えないように注意してください。

 

さて、弁護士に依頼することを前提とします。
もしかすると「どの弁護士事務所でも大差はないだろう」と思っている人もいるかもしれませんが、大事なのは「債務整理に強い弁護士を選ぶ」ことです。

 

債務整理に強いかどうかは、その事務所の相談実績を確認することでわかります。

 

弁護士といっても各々得意分野が異なります。
離婚問題で評判になっている弁護士よりは、債務整理の対応を数多くこなしてきた弁護士のほうが、当然有利に交渉を進められます。

債務整理に強い弁護士一覧

 

その他の債務整理のデメリット

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自己破産のデメリット

自己破産をして裁判所から免責許可の決定がなされると、すべての借金から解放されます。
いわば「借金が帳消し」なるのです。これは自己破産の最大のメリットですが、それゆえに大きなデメリットも伴います。

 

まず、多く財産を失います。
手元に残せるのは、99万円以下の現金や20万円以下の預貯金など、非常に限られます。
不動産は手放さなくてはなりません。

 

また、自己破産をすることにより信用情報機関に登録されます。
その期間は信用情報機関によって異なり、5~10年は借入ができなくなります。

 

これら二つは、自己破産による大きなデメリットです。

 

上記二つほど大きなものではありませんが、その他にもデメリットは存在します。
自己破産手続が開始されると、免責が認められるまでの間、一部の職業や資格に制限がかかります。
いくつかの例を挙げると、弁護士や税理士、警備員にも就くことができません。

 

破産手続の終了までは、移動の自由も制限されます。

 

また、国が発行する「官報」にも、自己破産した人の情報が載ります。
しかし官報を目にする一般人はほとんどいない上に、記載される情報が膨大なため、そのなかから特定個人の情報だけを見つけるのは困難です。

 

官報のせいで自分が自己破産をしたと知られることは、まずないと言えるでしょう。

 

一つの注意点として、保証人が付いている借金は、自己破産後、保証人に請求がいきます。
事前に知らせたり相談したりして了承を得ておくことが不可欠でしょう。家族にも影響がないとは言えないので、家族にも相談をしておくことが重要です。

 

個人再生のデメリット

個人再生は、住宅ローン以外の借金が5,000万円以下で、今後も継続的な収入が見込める上に、支払いが極めて困難になっているという条件を満たせば利用できます。

 

その特徴は、借金の大幅な減額が期待できるということです。

 

また、職業や資格が制限されず、持ち家を残しながら手続きできるのもメリットです。

 

しかしやはり、個人再生にもデメリットは存在します。
自己破産と同様に信用情報機関に登録されるので、一定期間は借入ができません。
登録期間は信用情報機関によって異なるため、もし借入を考えているのならば、情報開示請求をして自分の情報が消えているのか残っているのかを確認するとよいでしょう。

 

また、官報に情報が載ることも同じですが、過度な心配は必要ありません。

 

こちらも自己破産と同様、保証人に請求がいきます。
トラブルを避けるためにも、保証人となっている人には、予め相談しておくことが大切です。

 

過払い金返還請求のデメリット

法定利率を超える利息で借入を行っていて、かつ債務残高がゼロになっている場合、過払い金が発生します。
もちろん返還請求が可能で、すべきです。

 

しかし返還請求をすることによるデメリットが、少ないながらもあります。
過払い金の返還請求は、信用情報機関に登録してはいけないことになっていますが、請求をした業者の社内ブラックには載る可能性があります。
すると、もうその会社では借入できない蓋然性が高くなります。

 

ただし、過払い金請求をしたとしても債務が残ってしまう場合は、任意整理という結果になるため、ブラックリストに載ってしまいます。
また、自分で交渉することは難しいので、弁護士費用も必要になります。

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任意整理のデメリットまとめ

任意整理にはたしかにデメリットもあります。

 

しかし借金問題を放置していると、日々の取り立てに悩んだり給料の差し押さえをされたりして、精神的にもダメージが大きいです。

 

専門家に相談することで適切な助言を受けながら、少しでも早く解決できるように行動することが大切です。

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